<苺>
「悟浄、イチゴ食べよ?」
家に帰って来たばかりの悟浄には洗っていたイチゴを見せびらかして微笑む。
は果物が好きらしく、特にイチゴは1人で軽く食べてしまう。
そんなだが、必ず悟浄と一緒に物を食べ様と、
仕事から帰って来るまで只管待っている事もある。
「イチゴ?」
果物系が特別好きと言う訳ではない悟浄にとって、
が何時何を食べ様と如何って事ないのだが、にとっては凄く大事な事らしい。
「そ、お隣さんに分けて貰ったの」
真赤に染めた身体を水で濡らし、程よく光を放つ。
何処から見ても新鮮で、痛んだ所のないイチゴを目の前には本当に嬉しそうだ。
未だ手も洗っていない悟浄を早くテーブルに着けさせいらしく、急かす。
仕事の後で疲れて居る悟浄は動く気配がない為、
はイチゴの蔕を取って悟浄の口元まで運ぶ。
「悟浄、ほらあーん」
の何が此処までやらせるのか良く解らない物の、
こんなに美味しそうなイチゴを前に食べないと言うのが信じられない様だ。
「何、食べさせてくれんの?」
滅多にこんな事はない。
が悟浄に何かしてあげると言う事は家事以外に殆どないに等しい。
「美味しいから」
食え!と言わんばかりに目の前まで持ち運ぶ。
所が悟浄は口を開こうとしない。
「何で?イチゴ嫌い??」
悟浄がイチゴを嫌いだったかと思い出す様に考え込む。
前に食べていたようないなかったような…。
記憶として新鮮に残っていない為、中々思い出す事が出来ない。
「別に、嫌いじゃえぇケドよ…」
のイチゴを持った手を軽く払い退け、イチゴを遠ざける。
「?じゃーなんでよ」
意味も解らず払い退けられた手とイチゴを見詰める。
こんなに美味しそうなのに…。
の思考は最早猿並に食べ物に集中してしまっている。
「あぁー、解った」
1人で納得したのか、自分で聞いておきながら嬉しそうに笑った。
そして、大き目のイチゴを口に入れる。
イチゴの美味しさに喜んでいるのか、さっきの不明な笑いが続いているのか良く解らない。
只、物凄く嬉しそうに微笑んでいる。
「なんだよ1人で納得して」
悟浄は自分の話題なのに、が嬉しそうにしているのを見て少し疎外感を感じた。
「ごじょってば、紅いからヤなの?」
今日は不機嫌だったらしい。
仕事から帰って来て、と目を合わさない悟浄は殆ど頗る機嫌が悪いのだ。
一度も目の合わない事を思いだし、は悟浄の不機嫌の理由を探った。
「…未だ悟浄は血の紅に捕らわれてるの?」
持っていたイチゴをテーブルに置いて、悟浄に問い掛ける。
自分の問いに悟浄が答えてくれる筈がないと気付いているのに…。
「血の紅い動物は人間や妖怪だけじゃないでしょう?」
諭す様に話しても今の悟浄に効果はない。
「悟浄が血の紅に捕らわれてるんなら、あたしとお揃いよ」
他の人や妖怪ともお揃いになるのだろうが、
兎に角は悟浄が1人で抱え込んでしまうのが気に入らないらしい。
「紅いのは太陽、林檎、イチゴ、あたしの血、悟浄の血…沢山在るの」
その中のたった1つの物に縛られて欲しくない。
血と言う物に捕らわれるならせめて、良い方に考えて欲しい。
「悟浄の持ってる紅も、あたしの持ってる紅も違うんだ…あたしは悟浄の紅が好き」
悟浄だけが持ってる紅い色。
その色が1番好きだと告げてくれる。
「…敵わねぇなには」
苦笑しながらの気持ちを受け止めた悟浄はテーブルからイチゴを持って来る。
「食べんだろ?」
ボーっとした侭のにイチゴを差し出す。
そのイチゴを受け取って口に頬張る。
心底嬉しそうに食べる姿は、
悟浄が考えていた事をくだらなかった事と片付けた。
「、さっきの紅いモンでも1個足しとけ」
もうさっきの事なんか関係ない様でイチゴを食べる事に熱中してるは
なんの事だか直ぐに理解出来ないで居た。
「?紅いヤツ?……あぁ」
暫くの時間を使い、悟浄が指している紅いものが自分が挙げた紅い物を指すと気付く。
「お前も入れとけ」
不敵な笑みと共に自身も紅いモノに入れて置く…。
「は?なんで??」
意味が解らず悟浄に解り易く説明を頼む。
すると、悟浄は更に深く笑みを刻む。
悟浄の笑みにはイヤな予感を感じたが、そう感じると略同時に悟浄がの耳元で呟く。
そっと離れて立ち上がった悟浄を見上げ、が騒ぎ出したのは言うまでもない。
顔を真赤にしながら怒るは、紛れもなく゛紅いモノ"に含まれるだろう。
悟浄がに何を言ったのかは、2人のみ知る。
うーん。
失敗作ですわ(汗
なんなんだろコレ。
最近夢小説が書けないのはキャラへの愛が薄れてるのかしら…
つーか、短いよなぁ…。
偶に甘いの目指すと、失敗に終わる。
コレも皆悟浄の所為にしてやる!
はぁ?!何言ってんだよ!!
書けねぇのはお前の問題だろ?
人の所為にすんな!(悟浄
書き難いんだもん!
スランプだ脱出方法、試してますが今回ばかりは効かない様です…
お世話様です(ぇ?