<Honey Remon>












「…眠れない!」

何で?!
と叫び出しそうな勢いの
明日は早起きをしなければいけないと言うのに眠れない。
全く眠気が来ないのだ。
これは流石に不味いとは焦る。
が、焦れば焦る程眠気は遠退く。

「あ〜眠れない」

明日は早くに出発すると三蔵が言っていた。
悟空はもうとっくに寝たし、他の3人も寝ている。

「はぁ」

眠る事を諦めはベッドから起き上がる。
ゴロゴロと寝返りを打ち返したベッドのシーツを直し、パジャマの上に一枚羽織って部屋を出る。
行く場所なんて決まっていない。
気の向く儘に散歩をしよう。
そう思うと足が弾んだ。
軽やかな足取りで静まり返った街を歩く。
暫くすると人気のない池を見付けた。
変わって何がいると言う訳ではない。
生き物の気配は全くしない。
は微笑んで履いている靴を脱いで池の中に足を入れた。
静かに入れたつもりだったが、音のない空間には響き渡った。

「冷たい…」

独り言は誰にも聞かれずに消えて行く。
返事はない。


















ふと目が覚めるとの姿がない事に気付く。
気になった八戒は部屋の中を探し回る。
静かな夜に響く水音。

?」

音のする場所へと向かい八戒は部屋を後にした。
















「綺麗な空…」

足を池に浸けて空を仰ぎ見る。
見上げれば落ちて来そうな程の星空。
輝かしく目映い光を生み出す。

「未だ観ていたいな…」

もう寝なければならないと解っているがなかなか足は動かない。



後ろからする声に驚き水音が大きく音を出す。

「八…戒…」

振り返ってみれば先程迄は寝ていた筈の人がいる。

「探しましたよ」

呆れた様に笑いの隣迄足を進める。

「ごめんなさい…起こしちゃった?」

自分の隣に座った八戒の顔を見上げる。

「いえ、起きたらいなかったので」

遠回しに心配し、探したと言う意味だろう。

「眠れないの」

「風邪ひきますよ?」

八戒の言葉に耳を傾けつつも未だ粘る

「もう少し観たいの」

「明日は早いですよ?」

解ってるけれどは動こうとはしない。

「ごめん八戒戻ろ」

後ろ髪惹かれつつも立ち上がり宿に戻ろうと歩き出す。



が先程迄いた池の前にいる八戒がを呼び止めた。

「何?」

少し長い髪を風に靡かせては振り向く。

「宿に戻ったらはちみつレモンでも飲みますか?」

笑顔を向ける八戒に微笑んでは頷いた。

「ありがとう」














はちみつレモン
眠れない時に作って貰う。
温かい温度が
はちみつが
レモンが
あたしを眠りへと導いてくれる。















そして、あたしの手を包む大きな手を握って。















深い眠りに就いた。

























あ…リクエストってヒロイン怒られるんですよね…(汗
怒られてない〜!
すみません!様!!5800キリ番のリク…のつもりです。
最後の最後まで『はちみつレモン』にするか『ハチミツレモン』にするか悩みました。
くだらなくてすみません(滝汗
後、候補は『ホットミルク』でも管理人嫌いです。
牛乳温めたら臭いッス…なので却下。

5800キリ番を踏まれた様に限りお持ち帰り可です。
そして、返品も可です。

2005/08/22