<花火>













「今年は浴衣着なかったなぁ…」

もう9月だと言うのに未だ日中は暑い。
気温も30度を越える事が度々ある。
そんな熱い日にふと思い出す夏休みの出来事。
今年は遊んだけれど浴衣は着なかった。
それに花火も花火大会は見たけれど自分達ではやっていない。

「花火…」

浴衣はもう季節外れだが、花火は未だやっていても良いだろう。
冬に花火をやる人もいるのだから。















『悟浄、花火』

件名はなく本文は此れだけのメールを受信した。

「何だ此れ?」

自分の携帯に届いたメールだし名前も自分の名前だから間違えては居ないだろう。
が、花火が何なのかが解る様な文章ではない。

『花火が如何した?』

取敢えず解る様に説明をして貰おうとメールを返信する。

『今から来て』

自分の質問には一切答え等なくメールは返信された。
ふぅと短く息を吐き悟浄は自分の部屋を出て外へ向かった。

















辺りはもう陽が暮れて薄暗くなっている。
西側を見ると綺麗な紫色の空が広がっている。
秋を迎える空が何処となく寂しげな雰囲気を出していた。






















「あ、悟浄」

言われた通りに家迄向かうと家の外に人影を見つけた。

「何だよいきなり」

会って早々に軽い愚痴を零すが相手に等されず手を引かれる。

「っておい、何処行くんだよ

少しよろけながらも着いて行く悟浄を他所に鼻歌を歌いながら悟浄が今来た道を歩いて行った。
























着いた場所は公園。
の家の一番近くにある。
遊具等は小さな物しかなく本当に小さな小さな公園だ。
その公園は静かで木が茂っていて涼しい夏の穴場でもある。

「良し、ライター貸して」

にっこりと微笑んで悟浄に向かい右手を差し出す。
何に使うのか解らず悟浄は首を傾げていたがポケットから愛用のジッポを取り出す。
先程悟浄の手を掴んでいた手とは逆に持っていたコンビニのビニール袋から小さな蝋燭を取り出した。
其処にジッポで火を点ける。
風に揺られる蝋燭が消えないか確めてからジッポを悟浄に返した。

「はい」

又、コンビニの袋から取り出しそれを悟浄に渡す。
もうスッカリ夕日は沈み薄暗い街灯と蝋燭の火位しか明かりはない。
月も満月ではない為月光すら殆ど届かない。

「何…花火?」

手渡されて受け取った少し長めの棒を見ると同じ物を握ったが蝋燭で火を灯した。
パチパチと音を立てて点いた火はもう勢い良くシルバーの光を放っていた。
眩しい位輝かしい。

「悟浄もやりなよ」

自分の手持ち花火に火を点けて其れを悟浄に渡した。
悟浄は受け取って嬉しそうに花火を見つめるを見ていた。
悟浄よりも先に火を点けたの花火はあっと言う間に威力を弱め消えていった。

「…儚いなぁ」

悟浄の持っていた花火も消えていった。
未だ2人とも1本しか花火はしていない。
だがはその続きをやろうとしない。

「…花火って綺麗だよね」

もう燃え尽きてしまった花火を片手にしゃがみ込んだ。
蝋燭の明かりが頼りなく風に揺れる。

「あっと言う間に消えて…終っちゃうの」

その横に悟浄もしゃがみ込む。
そしてハイライトを取り出してジッポで火を点けた。
ゆっくりと吐き出される紫煙を眺めて悟浄は呟く様に言った。

「確かに…一瞬の輝きだな」

悟浄の吐き出した紫煙も一瞬に風に流される。

「………そんな風に生きたくない」

眉間に眉を寄せる。
苦しそうに悟浄を見つめた。

「どんなに醜くなっても良いから…在るが儘に行きたい」

泣き出しそうな顔をしながらも訴えるを悟浄はあやす様に抱き締めた。

「うん…」

ポンポンと背中を一定のリズムで優しく叩かれ徐々に落ち着きを取り戻す。



















「唯傍にいたい」
























我侭だと頭では理解していても割切ったり感情を押さえ込めないのが恋。
解っていても素直に言葉は噤まれる。




























「一瞬が美しい花にはなりたくない」

そう言って悟浄を見つめるの表情は先程とはまるで違う。































人を強くも弱くもするのが恋。

























何だ〜何が如何した?????!!!!!
何でこんなに甘いのを書いてるんだ??
このニセ緋桃め!!
あ〜〜〜〜〜恥かしい〜////////
洒落にならん。
しかも大体文章書いた後にタイトル考えるんだけど、此れ如何しよう。
最初『花火』がテーマでやってたのに…。
此れ最終的に恋じゃん?
うーわぁ〜(T▲T)
2005/09/14