「八戒は珈琲ブラック?」
午後の喫茶店でが八戒の呑んでいる珈琲を見て不意に訪ねる。
席に着いて八戒が頼んだ飲物は珈琲。
アメリカンでなくブレンドで…。
アメリカンであろうとブラック珈琲の呑めないにとって、
ブラック珈琲の呑める人は尊敬に値する。




「呑めますけど?」
笑顔で出された珈琲を呑む八戒。
以前呑んだブラック珈琲は苦過ぎて、もう絶対呑まない!と小さく心に誓ったのだ。




「ありえない〜」
余裕で珈琲を口にする八戒を見ては、は小さく呟く。




「良いんじゃないですか?呑めなくても」
そう言われると、何故か呑めない事が悔しくなる。




「八戒、珈琲少し頂戴」
力み気味に八戒の手から珈琲カップを奪い、
代わりに自分で頼んだオレンジジュースを八戒に渡す。




「…あまり無理しないで下さいね?」
八戒の言葉を聞き流し、苦い珈琲を一気に流し込む。




「美味しいですか?」
呑み込んでから何も喋らないに声を掛けても返事がない。




?大丈夫ですか?」
味を聞いても反応がないを心配し、顔を覗き込む。
八戒が覗き込んで見たは、
目尻に涙を貯めて必死に珈琲独特の苦さを耐えていた。




「……苦い」
少しだけ上げられた顔はにとって
ブラック珈琲がどれ程の物かを現すのに十分だった。




「無理する必要何てないのに…」
苦笑する八戒は、の目尻に手を延ばし、貯まった優しく涙を拭った。




「ブラック何て呑めなくて良いんですよ」
両目の涙を拭い、の頬に手をやる。




「苦いのに無理する何て、貴方らしくないですよ?」
頬の手を頭へと移し、綺麗に手入れのしてある髪を撫でる。




「何で?」
無理をした自覚はある物の、呑めた方が良い様な感じがにはする。




「貴方はブラック何て呑まなくて良いんです」
呑まなくて良いの一点張りである。




「何で?カッコいいじゃん?!」
少なくとも珈琲と一緒にオレンジジュースを頼むよりはマシだとは思う。




がブラックじゃないにしろ、珈琲を呑みだしたら困りますもん」
八戒の笑顔には負ける。
意味解らないが、納得してしまいそうになる。




「って八戒、それ意味解んないんだけど…?」
納得しそうな自分と八戒に突っ込む




「そうですか?」
完璧に八戒ペースになってしまいそうな勢いである。




「カフェオレとか、カフェラテくらい呑んだって良いじゃん?」
珈琲全般を却下された事にも納得が出来ない。




「ダメです」
即否定され、は目に見えて解る様に機嫌を損ねた。




「……」
「怒んないで下さいよ」
が不機嫌なのにも関わらず、八戒は相変わらずの笑顔。
八戒の笑顔を見れば見る程、は機嫌を損ねる。




「………未だ、呑まなくて良いじゃないですか」
「未だってどうして?」
引っかかる事を八戒は口にした。
それを聞き逃すではない。




「美味しいと感じるまで呑まなくても良いじゃないですか」
「そりゃそうだけど…」
尤もな発言に言葉を詰まらせる。




「珈琲もカフェオレもカフェラテも苦いと感じる様なら
未だ呑む必要ありませんよ?」
止まっていた八戒の手が動き出し、優しく撫で始められてしまえば、
も怒っては居られない。




「でも…」
「……僕、決めてたんですよ」
さっきよりもにこやかに笑って、




が珈琲類を呑める様になるまで絶対傍に居ようって」
八戒はあまり使いそうにない絶対と言う言葉。
それを聞いてしまい、如何すれば良いのかには解らなかった。




「ですから、未だ呑まないで下さいね?」
を手放す積りはありませんから。
最後にハートを付ける様な勢いでに微笑み掛ける。
言われたが最後。
反対出来る訳も、する訳もなく、




「じゃぁ、呑むの止める」
もう呑まない。
と断言し八戒の元からオレンジジュースを取り呑み始める。
小さく聞き取れない様な声だったが、八戒には確りと届いていて、
八戒は笑みを深くしていた。











 

 

 

激短い!!!!しかも終わりはどうなったんじゃい!!
甘くならなくて…。
恩を仇で返しました……返さない約束だったのに〜(泣
八戒は難しいです。最後が決まらなくてだらだらと書いてしまった…
其の割に短くて駄文。すいません(T0T)
返品可能です。ダメだしOKです。
気に入らなかったら言って下さい。