「、今日お前誕生日らしいな」
三蔵の意外な一言に私は驚いて、
三蔵の顔を見る事しか出来なかった。
三蔵を見上げたまま、立ち止まっている私を見下ろして。
「おい、間抜けな面してんじゃねぇよ」
かなり失礼!
「三蔵、それ失礼だし」
ちっちゃく聞こえないくらいで呟いても、
三蔵には聞こえてた。
「なんか言ったか?」
「いや、誕生日なんか興味ない三蔵様が、
如何して私の誕生日を知ってるのかなって」
微妙にフィクション交えて。
「三蔵に教えた記憶無いんだけど?」
ま、聞きたかった事だし。
「…………」
無視ですか三蔵様。
「まぁ、良いや」
私に合わせて立ち止まった三蔵を置いて、
先に進む。
三蔵が付いて来ているのを感じて居たから、振り返らないで。
ふと気が付くと、三蔵は私の横を歩いていた。
結構な距離離れてたのに。なんて思ってたら、
三蔵は私を追い抜いて先に進んで行った。
「ちょっと待ってよ三蔵!」
ゆっくり歩いてくれない三蔵に言っても、合わせてくれる訳ないか。
だから自分のペースで歩き直すしかなかった。
夕焼けが一番綺麗に見える時間帯。
歩いていて、擦れ違う人達は夕焼け色に染まっていて、
空も、地面も眩しいくらいの夕焼けに染まっていた。
「キレー」
思わず立ち止まり見入ってしまった。
綺麗と言う言葉以外出て来ないくらい。
真っ赤な夕日も地平線に消えて行った頃、再び前を向き歩き出すと、
そこには、さっきまで私の隣に居て、
私の事を追い越して行ってしまった金髪さんが立って居た。
「三蔵?なんで未だいんの?」
気になるから聞いたのに、ハリセン出して脅す事はないじゃない。
ジーっと眺めていると三蔵は睨み付けて来て、
”見てんじゃねぇよ”オーラが漂って………。
危ないから、それ以上は見てられなかった。
「何してんだ、行くぞ」
「はいはい」
自己中三蔵様に言われて返事したのに、返事は一回で十分って。
こんな遣り取りも楽しいななんて思って。
笑ってた。
「何笑ってんだよ」
だって。
「何でもないよ」
短く答えて歩き出すと、今度は合わせて歩いてくれた。
「……おい、まだ笑ってんのか」
「止まらないんだってば。」
可笑しくて、必死に笑いを堪えるけど三蔵にはバレバレ。
「何時まで笑ってる気だ」
呆れた顔して三蔵が私を見下ろすから、ついつい。
「明日まで」
とか答えた。今度は脅しじゃなくハリセン。
痛いけど、さっきのが面白くて。
「………」
「さんぞ、ごめんって」
本気で不機嫌オーラの出て来た三蔵。
ヤバって思った時には遅かったね。
「なら、笑ってる理由教えろ」
教えろ、ですか。命令な訳ね。
「うー」
ちょっと考える振りして立ち止まったら、また置いてくんだもん。
「三蔵がね綺麗だったの」
駆け寄って三蔵の隣でホントの事言いました。
また、ハリセンだ。
と思ったけど、今回は違うっぽいね。
「何がだ」
「何が?って言われても」
難しいね、三蔵にホントの事言っても伝わらないんですか。
「………夕日より私を置いてった金髪さんが綺麗だったの」
あ、言葉にすると簡単じゃん。
そうそう、言ってみたらバッチリ合った。
「訳わかんねぇ事ほざいてんじゃねぇ」
「ヒドっ!考えたんだから、この言葉〜!」
三蔵を見上げて見てみたけど、怒ってないし。
寧ろ、機嫌良さそう……?
「………ね、ね、三蔵、私の誕生日誰から聞いたの?」
機嫌良さそうなのを見て、三蔵に話しかけたら、素直に答えてくれた。
私が微妙な事言ったしね。
「…………八戒だ」
なるほど、ありえるな。その一言を聞いて納得。
「ありがとね、三蔵」
誕生日祝ってくれて。
「」
呼ばれて、見上げたら三蔵が左手を取って。
「……?」
冷たい感触。
自分の左手を見てみたら、シルバーのリング。
しっかりサイズも合ってて、薬指に収まってた。
「さんぞ!?これ」
照れ臭そうにしてる三蔵を見て、嬉しくなった。
「これ、サイズピッタリなんだけど、何で?」
気になることも発見。
「八戒が知ってた」
………なるほど、八戒ならありえる。
「でもさ、三蔵これの意味知ってる?」
「……馬鹿にしてんのか、」
恐ろしいほど低い声で返事が返って来たし。
一生懸命選んでる時の三蔵が思い浮かんで。
「いや、念の為に。でも、ありがとね三蔵」
プレゼントのお礼に普段はない、私からのキス。
……駄文送りつけ!
すみません。ホントは間に合わせるつもりだったんですけど。
間に合いませんでした!
三蔵は、人の名前呼びませんね。
困ったよ、呼べよ三蔵!
って叫んでました。書き終わった後。
無理な展開なのは、気のせいじゃないです。
(意味わかんないのも。
変なもの送りつけてすみませんでした。
お誕生日おめでとうございました!!