〜距離〜
私と彼方との距離はどれくらい縮まりましたか?
「ただいま〜」
ドアを開けながら入って来た。
三蔵が久しぶりに休暇の為家に居た。
は三蔵が休みにも関わらず、
仕事が入ってしまった。
三蔵の休暇は珍しいから、ホントは休みたかった。
仕事が残っているので休む事は出来なかったが。
家に居る三蔵に帰って来た事を伝える。
が、返事が返って来ない。
自室に行っている物だと思いは、
買い物袋を入って来たリビングのテーブルの上に乗せる。
「疲れたぁ、何なのあのオヤジは!」
仕事で起こった不満を呟きながら、上着を掛ける。
全て着替え終った後、
再びリビングで買って来た物を片付けていると、
何かが動いた。
「?!さ、三蔵!?」
てっきり自室に居る物だと思った三蔵が、
リビングにあるソファに三蔵が寝ていたのだ。
最近、休みが無く仕事ばかりしていた為、
疲れが溜まって居たんだろう。
寝ている三蔵に近寄っても、目が覚める気配は無い。
寝かせたままにして置こうと三蔵に毛布を掛け、
は少し早い夕飯の準備をし出した。
三蔵が起きたら直ぐに夕飯が食べられる様に。
極力静かに、三蔵を起こさない様にと、気を配りながら。
ある程度の準備が終ったは、
久しぶりに自分の時間を満喫し様としていた。
三蔵程では無い物の、
も忙しく中々休みが取れなかったのだ。
三蔵が寝ているソファの前に座り、読み掛けだった本を取り出す。
静かに眠る三蔵の顔を覗き込む。
何時も強い光を放っている三蔵の瞳は閉じられていて、
幾分か三蔵が幼く見えた。
そんな三蔵を見て、自然と笑みが零れた。
そして、膝に置いてある本を読み出す。
暫く本を読んでいたが、
何時の間にかも睡魔に襲われて行った。
が眠ったのと入れ違いに三蔵が目を覚ました。
自分に掛けてある毛布に気付き、少し体を起こすと、
ソファに寄り掛かりながら眠っているが目に映った。
「……、
風邪引くぞ」
静かに寝ているに声を掛けるが何の反応もない。
起こすのも可哀想だと思った三蔵は、
の隣に座り、
自分に掛かっていた毛布をに掛け、自分も毛布に包まる。
を引き寄せ、眠りに付こうとする。
そして、も抱き締められる心地良さに、
三蔵に近付く。
と三蔵は、
互いの温もりを肌で感じ、まどろむ。
三蔵が眠っている間に近寄って良いのも、
近寄って起きないのもだけ。
三蔵の寝顔を見る事が出来るのもだけ。
そして、の隣に居て良いのは三蔵。
互いに認め合い、
それでも甘え過ぎない二人の関係。
心を許し合える距離に居る。