<銀髪>



















三日であたしに名前を覚えさせるって宣言されてから数時間。
お昼になったから教室でご飯食べようと準備してる時に、また声掛けられた。

「昼一緒に食べても良いじゃろ?」

…何時の間にかあたしの席に自分の席をくっ付けて向かい合わせに座る。

「未だ何も言ってないけど?」

そんなあたしの言葉にすら反応しないで購買で売ってるパンを袋から取り出す。

「…そんなに食べるの??」

あたしからすれば凄い量。

「大した量じゃなか」

「大した量だと思うけど…」

それにしてもかなり食べる割に細いなぁ…。

「…お前さんひょっとしてテニス部の事知らんのか??」

「テニス部…全国レベルでめちゃくちゃ強くて学校全体で力入れてるって事位なら知ってるけど?」

あたしの言葉に彼は頭を下げてあからさまに溜息何か吐いた。
失礼ね。

「それが何なのよ」

正直回り諄い言い回しは好きじゃない。
馬鹿にされた気がするから。
…彼の場合は馬鹿にしてるんだろうけど。

「今日の放課後暇かの?」

「暇じゃない」

実際暇じゃないし、暇か否かと聞かれてるのだからストレートに返す。
あたしの性格はこんな感じ。
良く馬鹿にした言い方だとか言われたりもする。
一度も馬鹿にしたりはしてないのに。

「…冷たいのぉ」

彼は一言だけそう言うとそれ以上その話題には触れないで、一人黙々とパンを口に頬張った。






















初めて話すあたしと彼は会話が盛り上がる事もない。
特に会話がある筈もなく昼休みが終わるチャイムが聞こえた。
机を前に向けながら彼はあたしの方へ顔だけ向けた。

「朱夏、明日の放課後は暇か?」

「…今の所は」

そして年相応な笑顔をあたしに向けた。
一瞬、一瞬だけその顔に吃驚して見惚れてしまった。
時間が止まった様な気がしたから…。

「なら空けときんしゃい」

良い物を見せてやると言って彼はその後振り向きはしなかった。

































1.5話位な感じで受け取って下さい。
何となくこんな会話させても良いかなって思っちゃって。
と言うか、この感じだとヒロインちゃんは仁王がテニスしてる事知らないって事になってしまうので。
それを少し避けたいなと思いまして。
続きは…未だ書き途中です(汗

2007/08/15