<銀髪>






俺がの前の席になって2日。
奴は未だに俺の名前を呼ばない。
名前を呼ばなくとも会話をしとる。
が名前を覚えなくとも会話が出来て、それなりに世渡り上手だって事も知ったき。
話し掛けてるクラスの男子には笑顔を向けとる。
覚えとらん話にはそうだっけ?とか笑って言えば良いらしい。

〜」

「あれ?ブン太どしたの?」

…何で丸井の名前は知ってて呼んどるん?

「教科書借りようと思ってさ」

「何の教科書?」

普通の会話…クラスメイトと話す時と一緒じゃ。

「数学〜」

「ちょっと待ってて」

何じゃ今の会話…。
なのに俺はまるで蚊帳の外。
丸井が来るまで俺と話とったのに、丸井に話し掛けられた途端俺の存在を忘れたみたいに話とった。

「珍しいな仁王がクラスにいるなんてよ」

俺に気付いた丸井がお前に借りれば良かったとか漏らしとったが関係なか。

「…最近オモチャが出来ての」

一瞬丸井は眉を顰めて考える素振りをしとったが直ぐに気付いたみたいじゃ。

「あ………なるほどな〜」

ニヤついた丸井はガムを膨らまして割った。

「何がなるほどなの?」

ロッカーから教科書を持って戻って来たは不思議そうに俺等を眺めた。

「まあ気にする事じゃないぜよ」

そーそーと丸井も相槌を打つ。

「…まぁ良いや、次使うからちゃんと返してよね」

「おぉサンキュ」

丸井は忙しい奴じゃ。
俺の顔見て少し驚いた顔と悪戯な顔とかしとったの…教科書受け取ると嬉しそうな顔して教室出て行きおって。

「丸井とは知り合いだったんじゃな」

「一年の時同じクラスだったからね」

元クラスメイトの名前は未だに覚えとるんか…。
一度覚えたら接点がなくならない限り忘れんて所か。






















「…お前さん俺の名前覚えとるかの?」

「え〜、と……………?」

未だに覚えとらん俺の名前。
早う覚えて貰わないかんのぉ。

「まぁ良いとよ」

「…良いの?!意外〜」

俺の名前を呼ぶまでしつこそうとか言ったの…それは正解なり。
ついつい小さく口の端が上がる。
まぁは気付いとらんがの。

「それより、部活行くぜ」

「……は?何処の??」

着いて来んしゃいと腕を引けば不満の声が上がる。
けどそれは少しだけ。
後は大人しく俺に手を引かれながら着いて来とった。



























取敢えず今日こそは俺の事覚えて貰うきに。
詐欺師は面白い女が好きじゃ。
覚悟しんしゃい、






























ちょっとヤキモチ的な仁王…になったら良いな〜なんて(笑
あんまりヤキモチっぽくないし(汗
取敢えず次は部活に向かいますよ☆
他のキャラとはあんまり絡みないと思いますが…

2007/08/16