<煙草>








あたしが初めて煙草を吸ったのは高校2年の夏だった。
父が愛煙家だったからだろうか…。
何時かは吸ってみたいと思ってた。















非行に走るつもりなんて更々なかった。
けど、父が吸っている煙草が偶々あたしの眼に映った。
何となく煙草を1本持ってライターを持ってトイレに向かった。
家族はリビングに居ない。
万が一リビングに来て見られたらきっと怒るだろうと思って無意識に起こった行動だ。
吸った煙草はメンソール系。
煙草の吸い方なんて良く解らなかったから父が吸ってるのを見よう見まねで吸ってみた。
初めて吸った煙草は舌先がピリピリした。
少しだけ吸って未だ長い煙草を灰皿に押し付けて火を消した。
明らかに長い煙草の火が完全に消えるのを待ってゴミ箱の中へと捨てた。













あたしが初めて吸った煙草の終わり。















「三蔵最近煙草の量増えたね」

「お前の言えた義理か」

会社が同じで上司と部下のあたしと三蔵の関係。
同い年で夜迄仕事をしてるから、良く食事にも行く。








けど唯の上司と部下。









「バレた?」

「…何時から吸ってるんだ」

普段は話を振らないと自分から口など開かない三蔵があたしに話し掛けて来た事に本気で吃驚した。

「確か…高校2年だったなぁ」

ボケーっと窓を見て未だ運ばれて来ない料理を待つ。

「…未成年じゃねぇか」

「三蔵から未成年がドーコーって言葉が聞けるなんてね」

他人の評価を気にしない三蔵に未成年で吸っていた事に突っ込まれるとは思っても見なかった。

「……如何言う意味だ」

「まぁまぁ」

仕事中は吸わない様にしてるし、喫煙ルームにも滅多に行かない。
会社では吸わない様にしてるし。
吸ってると言えば昼休みの時間に外に出て…。
その現場を見られてるって事だろう。

「三蔵は?」

「成人してからだな」

「見えない…」

まぁ、三蔵は基本的に嘘を吐かない人だし成人してからなんだろうけど。
…イメージ的に中学生からかと思ってた。

「何で煙草なんて吸うんだろうね」

自分の吸ってる理由なんて解らない。
あの時の1本からずっと続いている。

「さぁな」

そう言って煙草を吸い出す。
三蔵は…美味しそうに煙草を吸う。
あたしは一度も美味しいだなんて思った事はない。
けど唯吸ってる。
吸ってる時は嫌な事なんて忘れられるし疲れも取れる気がする。
それだけで吸ってる。
ずっとずっと…。













「ホントはさ、気持ちの逃し方が解らないの」

考えても考えても出て来なかった理由。
逃し方なんて誰も知らない。

「一方的にしちゃいけないのは解ってるんだけどね」

解ってるだけで理解しきれない。
意味の解らない恐怖感。

「…自分を救えるのは自分自身だ」

「けど、解って欲しかった」

「他人等誰も救えない」

最終的に自分を救えるのは自分だけだと…。

「自分の痛みは自分しか解らない」

「でも…」

「自分を見棄てられないならその儘で良い」





















あたしが煙草を吸う理由…。






















きっとそれは自分の為に。
煙草が捌け口となってくれたと言う事。































ぐわー何だコレ!
復活後第一作がこのヘボ小説じゃダメダメだよ…。
でも比較的優しい感じを出したかったんだよ〜。
最遊記もちょろちょろUPしたいです。
名前変換なくてすみません
2005/09/11